このページの要点
- 法11条は「広告」に事項を表示する義務で、表記ページはその置き場所の一つにすぎない。
- 広告(法11条)、申込みの画面(法12条の6)、成立後の通知(法13条)、類型ごとの法定書面は、互いの代わりにならない。
- 表示事項は法11条の1号から5号と、6号が委ねる規則23条の各号。役務だけの取引には当てはまらない欄もある。
- 違反は指示・業務停止の対象で、申込み画面の表示や誇大な表示には直接の罰則がある。
特定商取引法に基づく表記は、通販サイトのフッターなどに置かれる書面の通称で、法律上の名前ではありません。法律(特定商取引に関する法律。以下「法」といいます)が求めているのは、通信販売をする場合の販売条件や役務の提供条件について広告をするときに、その広告に一定の事項を表示することです(法11条)。独立した表記ページは、その事項をまとめて表示するための手段にあたります。
ここを取り違えると、表記ページを一つ作ったところで作業が終わってしまいます。申込みの手続を表示する画面には別の表示の定めがあり(法12条の6)、前払いの場合の契約成立後の通知にも別の定めがあります(法13条)。対面や訪問、電話の勧誘を伴う取引では、通信販売とは別の類型の書面が問題になります。このページでは、表記ページを含む四つの層の役割と、表示事項が法律と省令のどの条文に当たるのかを一覧にします。項目ごとの書き方は、このあとの各ページで扱います。
このページで先に押さえたいこと
- 法11条は「広告」に事項を表示する義務で、表記ページはその置き場所の一つである。
- 広告・申込みの画面・成立後の通知・類型ごとの法定書面は、それぞれ別の条文で、互いの代わりにならない。
- 表示事項は、法11条の1号から5号と、6号が委ねる施行規則23条(以下「規則」といいます)の各号で構成されている。
- 表示の方法にも定めがある(規則24条)。期間または期限で書く事項、見やすい箇所に書く事項がある。
- 違反は、指示・業務停止の命令の対象になり、申込み画面の表示や誇大な表示には罰則の定めがある。
表記ページと「広告」の関係:法11条が求めているもの
法11条は、販売業者または役務提供事業者が、通信販売をする場合の商品・特定権利の販売条件や役務の提供条件について広告をするときに、主務省令の定めに従って、価格、支払の時期と方法、引渡時期または提供時期、申込みの期間、申込みの撤回または解除に関する事項などを表示しなければならない、と定めています。義務を負うのは「広告をする者」で、表示する場所は「当該広告」です。
インターネット上の通信販売では、広告に載せきれない事項を別の画面にまとめ、広告からそこへ案内する形が一般的です。この別の画面が、いわゆる表記ページです。表記ページへのリンクの置き方や、リンク先に事項を置く形が条文のどの方法に当たるかは、規則25条3項が電子情報処理組織を使う広告について定める方法との関係で議論の余地があります。見えにくい場所にリンクだけを置いた場合の評価を含め、所管官庁の資料で確認が必要な点です。実務上は、広告を見た人が、申込みの前に迷わず表記ページへ行けること、表記ページを開けば必要な事項がそろっていることを、最低限の目標にします。
もう一つ、条文には「ただし書」があります。広告に、請求により事項を記載した書面を遅滞なく交付し、または電磁的記録を遅滞なく提供する旨を表示する場合には、主務省令の定めに従って、事項の一部を表示しないことができます。住所や電話番号を表記ページに出したくない、という悩みはこの定めと結びつきますが、省けるのは規則25条が定める範囲に限られます。条件の読み方は事業者名・住所・電話番号の書き方で扱います。
条文の骨子通信販売についての広告(法11条)
- 本文通信販売をする場合の販売条件・提供条件について広告をするときは、主務省令に従い、広告に次の事項を表示しなければならない
- 1号販売価格または役務の対価(商品の送料が価格に含まれない場合は送料も)
- 2号代金または対価の支払の時期および方法
- 3号商品の引渡時期、権利の移転時期または役務の提供時期
- 4号申込みの期間に関する定めがあるときは、その旨と内容
- 5号申込みの撤回または解除に関する事項
- 6号前各号のほか、主務省令で定める事項(規則23条)
- ただし書請求により書面または電磁的記録を遅滞なく提供する旨を広告に表示する場合は、主務省令に従い、事項の一部を表示しないことができる
条文の要旨です。実際の条文の文言は、e-Gov法令検索で確認してください。
四つの層:広告・申込み画面・成立後の通知・類型ごとの法定書面
通信販売の表示や書面は、時間の順に四つの層で考えると整理できます。層ごとに条文が違い、相手も、出す場面も、内容も違います。表記ページは第一の層にしか当たりません。
表示と書面の四つの層
四つの層は互いに代わりにならない。表記ページに事項をそろえても、申込み画面の表示や、前払い後の通知の義務は残る。
第一の層:広告(法11条・12条)
広告には、前に見た表示事項を表示します。同時に、法12条は、商品の性能、役務の内容や効果、申込みの撤回または解除に関する事項などについて、著しく事実に相違する表示や、実際のものよりも著しく優良であり、あるいは有利であると人を誤認させる表示を禁止しています。禁止の対象になる事項は規則26条が定めていて、役務の種類・内容・効果のほか、国や地方公共団体、著名な団体や個人の関与、そして法11条各号に掲げる事項が含まれます。つまり、表記ページに書く価格や解除の条件は、書き漏れだけでなく、事実と違う書き方も問題になります。
第二の層:申込みの画面(法12条の6)
顧客が書面やウェブの画面で行う申込み(条文では「特定申込み」と呼びます)を受ける場合、事業者は、その申込みに係る書面または手続が表示される画面に、販売する商品や提供する役務の分量と、法11条1号から5号までの事項(価格、支払の時期と方法、引渡時期または提供時期、申込みの期間、撤回または解除)を表示しなければなりません(法12条の6第1項)。さらに、その画面で、申込みとなることについて人を誤認させる表示や、これらの事項について人を誤認させる表示をしてはならない、とされています(同条2項)。
最終確認の画面にボタンが一つだけあり、そのボタンを押すと申込みになることが分かりにくい、あるいは価格や支払の事項が申込みの画面にまったく出ていない、という作りは、表記ページの出来とは別に問題になります。「申込み画面は表記ページを見てください」というリンクを置けば足りるかどうかは、条文が「画面に表示する」と書いていることとの関係で、所管官庁の資料で確認が必要です。画面に必要な事項を直接出す設計のほうが、条文に忠実です。
第三の層:成立後の通知(法13条)
商品の引渡しや役務の提供に先立って代金または対価の全部または一部を受け取る通信販売で、郵便等(規則2条が定める電話機、ファクシミリ、情報処理機器を利用する方法や、口座への払込みを含みます)により申込みを受け、かつ代金等を受領したときは、遅滞なく、申込みを承諾する旨または承諾しない旨などを書面で通知しなければなりません(法13条1項)。受領後遅滞なく商品を送り、または役務を提供したときは、通知は不要です(同項ただし書)。書面に代えて、相手の承諾を得て電磁的方法で提供することもできます(同条2項)。通知する事項と書面の作り方は、規則37条と38条が定めています。前払いのサービスでは、この通知と表記ページの「支払時期」「契約の成立」の書き方が食い違わないように作ります。支払の欄の書き方は支払方法・支払時期の書き方で扱います。
第四の層:類型ごとの法定書面
通信販売のほかに、特定商取引法には、訪問販売(法2条1項)、電話勧誘販売(同条3項)、特定継続的役務提供(法41条)などの類型があります。訪問販売では、申込みを受けたときの書面(法4条)と契約を締結したときの書面(法5条)、電話勧誘販売では、同様の書面(法18条、19条)、特定継続的役務提供では、契約を締結しようとするときの概要書面と締結後の契約書面(法42条)が、それぞれ決まっています。これらの類型に当たる取引は、通信販売の表示をそろえても足りません。取引がどの類型に当たるかの入口の整理は、表記が必要かの判定で扱います。
四つの層の比較
| 層 | 条文 | 出す場面 | 表記ページで足りるか |
|---|---|---|---|
| 広告 | 法11条・12条、規則23〜26条 | 広告をするとき。LP、SNS、動画なども広告になり得る | 表記ページは事項の置き場所にあたる。広告からたどれることが前提 |
| 申込みの画面 | 法12条の6 | ウェブ上の申込みの手続を表示する画面 | 足りるとは言い切れない。画面に表示する、と条文が書いているため、所管官庁の資料で確認が必要 |
| 成立後の通知 | 法13条、規則37条・38条 | 前払いで代金等を受領した後 | 足りない。通知は申込みをした者に対する書面(または承諾を得た電磁的方法) |
| 類型ごとの法定書面 | 法4条・5条、18条・19条、42条ほか | 該当する取引を申し込み、または締結したとき | 足りない。別の類型の書面が別に必要 |
表示事項の構造:法11条の1〜5号と、規則23条の各号
表示事項は、法11条1号から5号までと、6号が委ねる規則23条で構成されています。法の1号から5号は、価格、支払、時期、申込みの期間、撤回・解除という、取引の中心になる事項です。規則23条は、事業者の特定に関する事項(氏名または名称、住所、電話番号)、法人の責任者、外国の事業者の国内の事務所等、価格のほかに負担する金銭、商品の契約不適合の責任、動作環境、継続契約、その他の特別な条件などを定めています。
下の対応表は、表記ページに並ぶ代表的な見出しを、条文に結びつけたものです。見出しの数や並び方は、ひな形ごとに違います。それは、取引によっては当てはまらない項目が混ざっていたり、条文に項目として挙がっていない事項(たとえば販売ページのURL、免責、知的財産)が混ざっていたりするためです。条文に挙がっていない事項を載せること自体は禁止されませんが、法定の事項が埋もれたり、規約と食い違ったりしないようにします。
表記の見出しと条文の対応表
| 表記の見出し(例) | 条文 | 適用される場面 |
|---|---|---|
| 事業者の氏名または名称、住所、電話番号 | 規則23条1号(法11条6号) | すべての通信販売。請求開示の方式では一部を表示しないことができる(規則25条) |
| 代表者または通信販売の責任者の氏名 | 規則23条2号 | 法人で、電子情報処理組織(インターネット等)を使う広告の場合 |
| 国内の事務所等の所在場所・電話番号 | 規則23条3号 | 外国法人、または外国に住所を有する個人で、国内に事務所等がある場合 |
| 販売価格・役務の対価(送料) | 法11条1号 | すべて。商品の送料を表示するときは金額で表示する(規則24条1号) |
| 価格のほかに負担する金銭 | 規則23条4号 | 追加費用があるとき。内容と額を表示する |
| 支払の時期・方法 | 法11条2号 | すべて。申込みの画面にも表示する(法12条の6第1項2号) |
| 引渡時期・提供時期 | 法11条3号、規則24条2号 | 期間または期限で表示する |
| 申込みの期間 | 法11条4号 | 申込みの期間に関する定めがあるとき |
| 返品・キャンセル・解約 | 法11条5号、規則24条3号 | 見やすい箇所に明瞭に表示する。商品の返品の特約は法15条の3 |
| 契約不適合の責任 | 規則23条5号 | 引き渡された商品が契約の内容に適合しない場合の責任の定めがあるとき |
| 動作環境 | 規則23条6号 | プログラムを記録した物の販売や、電子計算機を使う一定の役務の提供の場合 |
| 継続して契約する必要がある取引 | 規則23条7号 | 二回以上継続して契約する必要があるとき。金額、契約期間など |
| その他の特別な条件 | 規則23条8号 | 販売数量の制限など、特別の販売条件・提供条件があるとき |
| 請求者に負担させる額 | 規則23条9号 | 請求開示の書面等の提供に金銭を負担させるとき |
| 電子メールアドレス | 規則23条10号 | 通信販売電子メール広告をするとき |
この表で見落とされやすいのは、メールアドレスです。規則23条10号が電子メールアドレスの表示を求めているのは、通信販売電子メール広告をするときです。サイト上の広告だけで、メールを広告として送らない場合、条文はメールアドレスを表示事項に挙げていません。それでも、請求開示の方式を取る場合に請求を受け付ける窓口や、電話番号を出さない場合の連絡手段として、メールアドレスを載せるのが実務の通例です。条文上の義務の有無と、窓口としての実務上の必要を、分けて考えます。
もう一つ、規則23条5号は「引き渡された商品」について定めるため、役務だけを提供する取引では、この項目は通常は当てはまりません。ひな形にあるからといって、役務の表記に「商品の不具合の場合の責任」の欄を機械的に置くと、実態と合わない記載になります。当てはまらない欄は、削るか、当てはまらない旨を明記します。
表示の方法:期間または期限、金額、見やすい箇所
規則24条は、法11条の表示について三つの方法を定めています。一つめは、商品の送料を表示するときは金額で表示することです(1号)。二つめは、商品の引渡時期、権利の移転時期、役務の提供時期は、期間または期限で表示することです(2号)。三つめは、申込みの撤回または解除に関する事項を、顧客にとって見やすい箇所において明瞭に判読できるように表示するなど、顧客が容易に認識できるように表示することです(3号)。
条文の骨子表示の方法(規則24条)
- 1号商品の送料を表示するときは、金額をもって表示する
- 2号引渡時期・移転時期・提供時期は、期間または期限をもって表示する
- 3号撤回・解除に関する事項は、見やすい箇所に、明瞭に判読できるように、容易に認識できる方法で表示する
この三つは、書き方の当否を左右します。たとえば、役務の提供時期に「準備でき次第」「順次」とだけ書くと、期間または期限による表示になっていません。解除に関する事項を、長い文章の途中に小さな文字で入れると、容易に認識できる表示になっていないと評価されるおそれがあります。時期の書き方は提供時期の書き方、解除・キャンセルの欄の置き方は返品・キャンセル・解約の書き方で扱います。
確認の問いと理由表記を作る前に確かめる問い
申込みは、どの手段で受けているか。
ウェブのフォーム、電話、メール、口座への払込みなどは郵便等にあたり、通信販売になり得ます(法2条2項、規則2条)。手段の確認が、表記が必要かどうかの出発点です。
その手段を使う広告は、どこにあるか。
表示義務は広告ごとにかかります。LP、SNSの投稿、動画の概要欄、チラシなど、すべての広告から表記ページにたどれるかを確認します。
申込みの手続は、どの画面で完結するか。
法12条の6の対象になる画面を特定し、分量、価格、支払、時期、申込み期間、解除の事項が直接出ているかを確認します。
代金は前払いか、提供後か。
前払いなら、法13条の通知の要否と、支払時期の欄の書き方が連動します。
訪問や電話の勧誘を伴う場面はないか。
出張して申込みを受ける、電話をかけて勧誘するなどの場面があると、別の類型の書面が問題になります。
顧客は個人か、事業者か。
営業のために締結する取引は適用除外の対象になり得ます(法26条1項1号)。顧客の層で、表記の要否と内容が変わります。
この問いの順番は、表記の項目を埋める順番ではなく、どの層にどの条文が及ぶかを確かめる順番です。
違反の位置づけ:指示、業務停止、罰則
表示事項の不備に対する法の定めは、段階的です。主務大臣は、販売業者または役務提供事業者が法11条、12条、12条の6、13条1項などに違反した場合において、通信販売に係る取引の公正および購入者や役務の提供を受ける者の利益が害されるおそれがあると認めるときは、是正のための措置その他必要な措置をとるべきことを指示できます(法14条1項)。指示をしたときは、その旨を公表しなければなりません(同条3項)。
違反によって購入者や役務の提供を受ける者の利益が著しく害されるおそれがあると認めるとき、または指示に従わないときは、二年以内の期間を限って、通信販売に関する業務の全部または一部を停止すべきことを命じることができます(法15条1項)。事業者が個人である場合には、停止の期間と同じ期間、停止を命じる範囲の業務を営む法人の業務を担当する役員となることの禁止を併せて命じることもできます。命令をしたときも公表されます(同条4項)。
表示の不備から罰則までの流れ
これとは別に、申込み画面の表示や誇大な表示には、直接の罰則の定めがある。
罰則は、段階を踏まずに適用される類型もあります。法12条の6第1項に違反して、申込み画面の表示をせず、または不実の表示をしたときは、三年以下の拘禁刑または三百万円以下の罰金に処し、またはこれを併科する、と定められています(法70条2号)。法12条に違反して、著しく事実に相違する表示をし、または実際のものよりも著しく優良であり、あるいは有利であると人を誤認させる表示をしたときは、百万円以下の罰金です(法72条1号)。申込み画面で誤認させる表示をしたとき(法12条の6第2項違反)、前払いの通知をしなかったとき(法13条1項違反)も、法72条に罰則が定められています。
条文の列挙を見る限り、法11条の表示が欠けていること自体は、まず指示や業務停止の対象とされています。ただ、11条の事項が欠けていれば、同時に12条の誤認表示や、12条の6の申込み画面の問題につながることがあります。表記ページだけを整えるのではなく、四つの層をそろえて点検する理由はここにあります。指摘を受けたときの流れは不備の指摘とよくある質問で扱います。
広告から表記ページへの導線:どこに、どう置くか
表示義務は広告ごとにかかるため、表記ページの中身と同じくらい、そこへ至る道筋の作り方が大切です。ここでは、条文が直接定めている部分と、実務上の工夫の部分を分けて整理します。条文が定めているのは、広告に事項を表示すること(法11条)、その方法として、特に解除に関する事項は見やすい箇所に明瞭に表示すること(規則24条3号)です。リンクの文字の大きさや位置までを条文が定めているわけではないので、以下は、条文の趣旨に沿うための実務上の考え方です。
広告の種類別の導線の考え方
| 広告の場所 | 導線の置き方の考え方 | 確認する点 |
|---|---|---|
| サイトのトップや各サービスのページ | 全ページ共通のフッターに常設のリンクを置く。申込みボタンの近くにも置く | リンクの文字が「特定商取引法に基づく表記」と分かる表現か。スマートフォンの画面で隠れないか |
| LP(一枚もののページ) | 申込みボタンの直前か直後に、リンクまたは主要事項の要約を置く | 要約と表記ページの内容が食い違わないか。価格や解除の事項は、要約にも載せるか |
| SNSの投稿・プロフィール | プロフィールの固定リンクから表記ページへ行けるようにする | 投稿に価格を載せる場合、その投稿が広告として扱われ得る。投稿ごとの導線の考え方は、所管官庁の資料で確認が必要 |
| 動画の概要欄 | 概要欄の冒頭か、サービスの案内の近くにリンクを置く | 長い概要欄の末尾にだけ置いていないか |
| チラシ・紙の広告 | 紙面に事項を載せるか、請求開示の方式の旨と請求先を載せる | 請求開示の方式は規則25条の範囲内か。QRコードだけで足りるかは、所管官庁の資料で確認が必要 |
| メールマガジン・電子メール広告 | 通信販売電子メール広告に当たる場合は、規則23条10号により電子メールアドレスの表示が要る | 電子メール広告の規制は別の条文(法12条の3以下)にも及ぶため、条文で確認する |
導線の問題で最も多いのは、表記ページがあるのに、広告を見た人の多くがそこへたどり着けない作りです。サイトのフッターにしかリンクがなく、LPには出ていない、SNSのプロフィールに表記ページへのリンクがない、といった状態です。広告の種類を洗い出し、それぞれから表記ページへ何クリックで行けるかを確かめておくと、後の点検が楽になります。点検の観点は点検と更新で扱います。
表記ページを作る順番
実際に表記ページを作るときは、最初に項目を埋めるより、取引の流れを一本の線として書き出すほうが、抜けが出ません。申込み、支払、契約の成立、提供、終了までを順に書き、そのどこで広告が出て、どの画面で申込みになり、いつ代金が動き、いつ提供され、どのような場合に解除や返金が起きるかを確認します。そのうえで、次の順に表記の各欄を整えます。
表記を整える順番
この順番には理由があります。事業者の欄は、請求開示を使うかどうかで、ほかの欄の書き方が変わります。金銭の欄は、申込み画面にもそのまま出る事項なので、先に確定させておくと、画面の設計と表記が食い違いません。時期と解除の欄は、規則24条の表示の方法の定めが最も効く部分です。最後の追加事項は、取引によっては一つも当てはまらないことがあります。
なお、このサイトでは、表記ページに載せる文章の完成形を一つ示すことはしません。取引によって、当てはまる欄と書くべき内容が違うためです。各ページでは、欄ごとに、条文の骨子、書き方の当否、よくある書き方と整えた書き方の対比を示し、記載例は伏せ字の最小限にとどめます。
起きがちなこと
表記ページの全体で起きがちなこと
- 表記ページを作ったことで作業が終わったと考え、申込みの画面に価格・支払・時期・解除の事項が直接出ていない。
- 前払いのサービスなのに、代金を受け取った後の承諾などの通知が、運用に組み込まれていない。
- 役務だけの取引に、商品の契約不適合の責任や返品の欄をひな形のまま置き、実態と合わない記載になっている。
- 広告ごとに表示義務がかかることを意識せず、一部の広告や投稿から表記ページにたどれない。
- 表記ページ、申込みの画面、規約の三つで、価格や解除の条件が食い違っている。
- 出張や電話の勧誘を伴う場面があるのに、通信販売の表示だけを整えて、別の類型の書面を検討していない。
- メールアドレスについて、条文上の義務の有無と、窓口としての実務上の必要を分けて考えず、載せていない、または載せたことで他の欄が足りたと考えている。
- ひな形の「ご記入ください」などの注意書きや空欄が残ったまま公開されている。
よくあるご質問
表記ページを作れば、特定商取引法の表示はそれで足りますか?
足りません。法11条が求めているのは広告に事項を表示することで、表記ページはその置き場所の一つです。ウェブ上で申込みを受ける場合は、申込みの手続を表示する画面にも、分量と法11条1号から5号までの事項を表示する必要があります(法12条の6第1項)。前払いで代金を受け取る場合は、承諾する旨などの通知も要ります(法13条)。表記ページ、申込み画面、成立後の通知は別の定めで、互いの代わりにはなりません。
SNSの投稿や動画の概要欄のように、文字数が限られる広告でも、表示が必要ですか?
法11条は、通信販売の販売条件や提供条件について広告をするときの表示を求めており、広告の媒体を限定していません。文字数が限られる媒体で、事項のすべてを載せることが難しい場合に、どのような表示の仕方が認められるかは、条文と所管官庁の資料で確認が必要です。少なくとも、広告を見た人が、申込みの前に表記ページへたどり着ける導線を、すべての広告に用意しておくことが前提になります。
メールアドレスは必ず表記に載せなければなりませんか?
規則23条10号が電子メールアドレスの表示を求めているのは、通信販売電子メール広告をするときです。メールを広告として送らない場合は、条文が表示事項として挙げていません。ただし、請求開示の方式で住所や電話番号を省く場合の請求の窓口や、電話番号を出さない場合の連絡手段として、メールアドレスを載せるのが通例です。条文上の義務と、窓口としての実務上の必要は、分けて考えます。
表記ページの価格と、申込み画面の価格が違っていたら、どうなりますか?
申込み画面で価格などについて人を誤認させる表示をしてはならないという定めがあり(法12条の6第2項)、違反には罰則があります(法72条4号)。また、広告の表示が実際のものよりも著しく有利であると人を誤認させる場合は、法12条が問題になります。価格は、広告、表記ページ、申込み画面、規約のすべてで一致させ、改定するときはすべてを同時に直します。
表示に不備があると、すぐに罰則を受けますか?
法11条の表示事項の不備について、まず定められているのは主務大臣による指示(法14条1項)と業務停止命令(法15条1項)で、いずれも公表されます。命令に違反した場合に罰則があります(法70条3号)。一方で、申込み画面の表示をしない、または不実の表示をした場合(法70条2号)、著しく事実に相違する表示をした場合(法72条1号)などは、罰則の定めが直接あります。何がどの条文の問題になるかは、不備の内容によって違います。
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本ページは一般的な情報提供です。個別の取引への当てはめは、サービスの仕組みや申込みから提供までの流れによって異なることがあります。条文は e-Gov法令検索(法令API)で確認しています(最終確認日:2026年10月21日)。参考: e-Gov法令検索 / 消費者庁 / 特定商取引法ガイド(消費者庁)